無資格問題について 後編

脳梗塞後寝たきりになり、気力もなくなり寝返りすらしなくなった高齢者のお宅に訪問させて頂く機会を得ました。
1年かかりましたが様々手を尽くし(環境改善にも着手し)患者様一人でベッド端座位まで出来るようになりました。
同居のご家族が「こんなに良くなるとは思っていなかった。私は知り合いに宣伝して歩いてる。
うちに良い整体の先生が来てくれている。って」と。

認知率、市民権は完全に整体業の勝利だと痛感した次第です。
整体の良さをご近所に宣伝してくれているという・・・笑激です。

さて
大手リラクゼーション業に関して こんな記事を見つけました

Q、未経験者が応募して研修を受ける場合、研修終了までどのくらいかかりますか?期間、内容のレベル、研修で学ぶ内容について教えてください。
A、研修は修了の実技テストまで含めて66時間あります。

66時間・・・。

(※70時間という情報もあります)

厚生労働省のホームページから抜粋
[最低履修時間数]
・あん摩マッサージ指圧師 2,385時間以上
・はり師 2,475時間以上
・きゅう師 2,415時間以上
・あん摩マッサージ指圧師、はり師 2,655時間以上
・あん摩マッサージ指圧師、きゅう師 2,595時間以上
・はり師、きゅう師 2,655時間以上
・あはき師 2,835時間以上(補足:あはき師とは あん摩マッサージ指圧師 はり師 きゅう師の事)

【最低】ですよ?【最低】(※これは実技も含んだ時間です)

前回画一されたルーティンという話をしましたが、この66時間で、最低限 事故を起こさないようなレベルに仕立て現場に放たれる。
そして現場でコンペに向け足りない部分を補完し向上する流れなんだと思います。あとは利用者側がどう判断するかですね。

66(経産省)VS 2000(厚労省) 経産省の勝利。いや自由経済の勝利と言っておきましょう。
ただ晴眼者の私のような者は次の手を打とうと思えば打てますが、視覚障碍者はそうもいってられない状況になってしまっている現状は忘れないで下さい。

だったら有資格者も宣伝広告を打てばいいじゃないか!?というご意見もあろうかと存じますが、我々は「あはき法(昭和二十二年十二月二十日)」に雁字搦めにされており出来ない現状があります。インターネットにおいても今後規制が入るようです。しばらくは緩やかに、言い方を変えれば真綿で首を絞めるように。

無資格の伝家の宝刀は「職業選択の自由」です。

こうなったら整体業を完全に医業類似行為に引き上げて厚生労働省管轄にして研修を義務化する。事前試験を行いクラス分けする。
上級整体業者は研修1年間 400時間 中級整体業者は研修3年間 1200時間 下級整体業者は研修5年間 2000時間で国家試験受験資格を与える。
研修終了後は国家資格を取得しやすくするよう優遇制度を設ける。
研修を受けずに 身体に生理反応を起こさせる手(足)技を用いる事を生業にしている者はすべて逮捕。外国人含む。エステ業含む。
既存国家有資格者の扱いとしては「準医療行為」を新設し、「保護」する。
緊急に対策が打てるとしたら、無資格施術所の営業時間内(始業から終業まで)に有資格者を常駐させないといけない。
研修が充実しているような大手は実施出来るでしょう。名義貸しは厳禁。
視覚障碍者は広告制限を緩和。利用者が利用しやすい状況を妨げない。
なんて こんな妄想をする暇があったら古典でも読んだほうがいいやって 多くのあはき師は傍観者のようになるのかもしれません。
実際に影響を感じない売り上げを維持している治療院が大半なのかもしれません。
もう排除は無理ですから、手を取り合うまではいかなくとも、サービスの受け手である利用者の利益に繋がる方策を考えないとですね。
無資格施術では、この8年近くで1500件近い事故。16%が1か月を超える長期入院が必要な重症のケースだという。
店舗の雰囲気作り、客対応、予約システム、人間関係、立地等々に魅力を感じて無資格を選択している人を止めようがないので、やはり事故がないよう願うばかりです。

(※参照 厚生労働省HP、週刊ダイヤモンド2019・11/16号、マイベストジョブの種HP、リラクゼーションセラピストの皆様のブログ)



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