褒める

立場が上の者がする行為のようです。
それなら「称える」とか「賞賛する」にしておきましょう。

通常、わたしに依頼が入る時の患者さんの状態は良くありません。
ご本人からしてみれば ADLが絶望的に低下した状態。
もうなにかを頑張るようなことはしたくない。
静かにお迎えを待つだけなんて人も。

しかしながら、私に依頼が入るということは「まだ生きてほしい」「頑張ってほしい」と思っている誰かがいるからです。
ご希望は様々ですが、その多くは介護をする際に介護者が少しでも楽になるようにということが多い気がします。
患者さんには、「自分で出来ることは自分でしたほうが良いですよね」といった主旨で説得(お話)することがあります。
ともかく自信を失っているので消極的になりがちです。
訪問につながりさえすれば時間をかけて少しづつでも前向きになるような対話を繰り返します。(雑談がメインになる事が多いですが。)
マニュアルなどありません。患者さんお一人お一人”やるきスイッチ”は違いますから。
なにか些細なことでも出来なかったことが出来るようになったり、チャレンジしなかったことにチャレンジしてみたりした際は最大限に称えるようにしています。時事問題等でお考えを表されたり、過去の功績等のお話を聞かせていただいた際も同様です。
人は強い肯定感に包まれることが必要なのです。前向きになるために。私はそうやってきました。

時にご家族から引かれることもありますがすぐに慣れます。そして愚痴や小言ばかりだったご家族も対応に変化が現れます。
倒れた後、その状態を受け入れづらいのはご本人もご家族も同じです。
パッと切り替えられるのは”相当”に難しいと思われます。




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